四畳半神話大系

Amazonプライムで原作者、森見登美彦さんの「四畳半神話大系」を観させていただきました。たまたまテレビで「夜は短し歩けよ乙女」を見かけてネットで検索をかけたところ出会った作品です。全11話のアニメーションで主人公の「私」視点での大学生活が展開されています。彼は、大学入学当初、薔薇色のキャンパスライフを期待して1つのサークルを選択するのですが、毎度話の終わりに時間が巻き戻り、別の選択をした場合の生活が各話毎にパラレルワールドとして広がっていきます。

 


原作者の森見登美彦さんの作品は2つ目なのですが、毎回今までにはない無類の魅力を感じてしまいます。「夜は短し歩けよ乙女」を小説で読んだときは、言葉選びの巧みさ故に、学のない自分でも読み耽けてしまって気付いたら朝になっていました。関係ないのですが、読み終わった時にはお酒が飲みたい衝動に凄いかられました。今回の「四畳半神話大系」も同じ理由で魅入ってしまいました。主要な登場人物に大学8回生の仙人の様な男がいるのですが、その人物になぜか憧れを持つ自分がいました。彼は大学生の究極体です。そうなってはいけないのは頭では皆んな分かっているのに、他からすると魅力的なのは不思議なもんですね。

 

 

それで、途中まではこの作品の独特な世界観に魅了され一心不乱に観ていたのですが、中盤になると話の展開が似通ってきたこともあり、余裕ができて少しずつ風刺として捉え始めました。今の自分の現状と照らし合わせて、結局は自分が変わらないといけないんだなーと感じさせられました。堕落した生活を続けて、他人にすがって生きていても、いつか虚しさに耐えかねて死にたくなるのは自分らしいです。如何なる環境でも自分さえ上手く咲かせることが出来れば幸せの蜜を吸えそうな感じでした。結果、以前の自分よりは行動していこうと決意し、些細な武者震いを感じました。